本会について

 中部小児がんトータルケア研究会(以下、本会)は、小児がん患者の包括的医療の充実を目指し、QOL(生活の質)の向上に貢献することを目的として設立されました。中部地区の医療機関、教育機関、支援団体、患者・家族会のメンバーなど、本会の趣旨に賛同する幅広い関係者が参加しています。2025年度からは、代表幹事を平山が務めることとなりました。本会は小児がん拠点病院の事業の一環として引き続き運営されます。
 2001年の第1回研究会開催以来、年1回の研究会を通じて情報共有と意見交換の場を提供しており、毎回70~100名が参加しています。研究会では特別講演やシンポジウム、ワークショップ、一般演題などを通じて活発な議論が交わされ、医師、看護師、コメディカルスタッフ、教育関係者、患者団体、当事者など多様な職種の方々が対等な立場で意見を交換することを大切にしています。参加者同士は「さん」付けで呼び合う文化を持ち、地域を問わず全国からの参加も歓迎しています。2020年の第20回研究会から数年間は新型コロナウイルスの影響でWEB形式となりましたが、2024年の第24回にハイブリッド形式での開催で対面形式が復活しました。今後も交流の場が持たれることで、より活気ある研究会を目指しています。
 小児がんの治療成績は向上し、現在では約80%の患者が治癒に至る時代となりました。しかし、治療が成功しても、その後の社会生活への適応や精神的・社会的な支援が不可欠です。一方で、治療の甲斐なく命を落とす子どもたちもみられ、終末期ケアや家族へのグリーフケアの充実も求められています。また、闘病生活の中で、母親の付き添いにより家庭が分断される問題も依然として課題です。このように、小児がん治療には医学的な側面だけでなく、成長や社会生活、家族を含めた包括的な支援が欠かせません。本会は、小児がん医療に携わる多職種の皆さまとともに、東海北陸地域の小児がん医療をさらに発展させるため、積極的な議論と協力を続けていきます。関心のある方はぜひご参加ください。

代表幹事 平山 雅浩(三重大学大学院医学系研究科小児科学 教授)

 

(設立の経緯と沿革)

 2000年に財団法人「がんの子供を守る会」による「小児がん患児とその家族の支援に関するガイドライン」作成を機に、地域活動推進のためガイドライン地区委員を置くことになり、中部ブロック委員に堀部が指名されました。その活動の一環として、2001年3月30日に小児がん患者支援に関する情報交換の場作りを目的に「中部ブロックガイドライン地域施設委員会」が開催され、東海地区の小児がんの診療に携わる小児科医・小児外科医が参集しました。その会議において、すでに静岡県で開催されていた「がんの子どものトータルケア・ターミナルケア研究会」をモデルに、中部地区の関係者に広く呼びかけて小児がん患児の支援に関する情報交換の場を設けることが提案され、「中部小児がんトータルケア研究会」を設立することが決定されました。 7月6日の準備会を経て、2001年11月3日に名古屋大学医学部「鶴友会館」大会議室にて第1回中部小児がんトータルケア研究会が開催され、以後、毎年9月末または10月初めの土曜日に研究会が開催されています。 研究会の開催主体は、第1回研究会が日本ロシュ株式会社、第2回から第11回は中外製薬株式会社の共催として開催されました。第13回から自主開催となり、第14回から小児がん拠点病院機能強化事業の支援を受けて開催されました。そして、第19回から東海・北陸ブロック地域小児がん拠点病院事業主催の研究会となり、現在に至ります。

名誉会員 前代表幹事 堀部敬三(国立病院機構名古屋医療センター小児科顧問、上席研究員)